
薄毛治療の研究は革新的に進化していると言われ、特に、再生医療を使った新たな治療法は世界中から期待されています。頭皮の細胞から作られた毛包を患部へ移植する技術は、動物実験の上でも結果が出ており、将来的には様々な薄毛の治療で使われるようになるでしょう。
ここでは、毛髪再生技術による新しい薄毛治療について紹介します。
今までと違う!実際に増毛が可能になる

薄毛の症状ではAGAが有名ですが、患部が円形に脱毛する円形脱毛症や患者数が少ない先天性無毛症など多くの種類があります。しかし、薄毛になるメカニズムが解明されているのはAGAと薬剤の副作用による薬剤性脱毛症で、ほかの脱毛症や薄毛の症状に関しては原因を特定できていません。
このため、薄毛の症状には根本的な治療法が確立されないまま、薬品治療か後頭部の毛穴を含めた頭髪の患部に植毛するなどの治療法が有効とされてきました。詳細→名古屋中央クリニック … aga治療名古屋
しかし、薬品治療では頭髪を健康的な状態に改善しても服薬治療を継続させなければ効果がなくなってしまうほか、頭髪を確実に増やすことはできません。植毛も、植毛した頭髪以外に毛量が増える訳ではなく、薄毛を根本的に解決するものではないと言えます。
新たな薄毛治療では今まで確立できなかった、頭皮の上で頭髪が増える状態を作り出すため、革新的と注目が集まっているのです。治療はAGAの患者向けに開始される見込みで、いずれはメカニズムが解明されていない薄毛や脱毛症などの治療にも役立てられると言われています。
毛包が死んでしまっても治療できる!?
毛包とは頭髪の成長に大きく影響する部位です。毛包が細胞分裂をして頭髪が作り出されますが、例えばAGAの場合だと男性ホルモンによって細胞分裂が抑えられてしまうために毛包が弱まり薄毛の症状が現れます。また、ストレスや生活習慣が原因で血管が収縮し毛包へ血液が十分に届かないために栄養不足を起こして頭髪が作れなくなるのも症状が出る理由です。
毛包に悪影響を与え続けるといずれ頭髪が作れなくなり毛包が死んだ状態となりますが、今までの薄毛治療では毛包を強くしたり、男性ホルモンの影響を与えないようにしたりするのが目的で、毛包をもとの状態へ再生するのは不可能でした。
しかし、再生医療を用いた薄毛治療では毛包を患部に移植する方法で頭髪を生やします。薄毛の症状が出ていない正常な頭皮を切除して作成される毛包原基を患部へ移植するのです。このため、毛包が死んでしまった状態でも頭髪を再び成長させられる訳ですね。
2018年に行われた動物実験では、ヌードマウスに毛包原基を移植して約1センチ幅の皮膚に124本の毛が生えたと言う結果が出ています。加えて、移植された毛包は周囲の組織や神経とつながり、発毛した毛は毛周期を持続させたのです。
つまり、発毛するだけでなく発毛した頭髪が毛周期によって脱毛し再び新たな頭髪を成長させられる治療法となります。
再生医療で薄毛治療するメリット1一度生えたらAGAにならない
今までの植毛技術では、頭髪を移植するために毛穴ごと頭髪をくりぬく必要がありました。しかし、自毛植毛とも言える新たな薄毛治療では頭皮をくりぬく必要はなく、人の頭皮から培養された毛包のみを移植します。その分痛みを伴う施術が少なくなるのに加えて、移植する毛包がAGAの原因となる男性ホルモンに影響されないように作成されていると言うメリットがあるのです。
つまり、男性ホルモンの影響がないと言われる後頭部から痛い思いをして頭髪を移植しなくても、最初から男性ホルモンの影響を受けない頭髪を成長させることができます。このため、毛髪再生技術による治療によって増毛してもAGAに罹患しているからと言って生えた頭髪が抜け落ちたり、薄毛になったりはしません。
一度、毛包を移植されたらAGAの症状は出なくなります。特に、AGAが進行して患部の範囲が広いケースや、毛包が死んだ状態になって新たな頭髪が成長しないケースで、効果的が得られやすい治療法と言えるでしょう。
再生医療で薄毛治療するメリット2薬の副作用を心配する必要なし
現在薄毛治療に使われている代表的な薬品ではミノキシジルやプロペシアがありますが、いずれも人によって副作用が出る場合も少なくありません。むくみやめまい、男性機能低下などの副作用が確認されていることで知られています。
特にプロペシアは女性の使用で胎児に影響が出るため、薄毛に効果があったとしても処方はされないのが現状です。一方、毛髪再生医療では、毛包を移植するのみで薄毛治療に使われる処方薬を服用する必要はなくなります。
AGA治療からスタートする見込みの新しい薄毛治療ですが、いずれ女性男性型脱毛症と呼ばれるFAGAやびまん性脱毛症など、女性に起きやすい薄毛の症状でも治療が開始されるでしょう。女性の薄毛症状は坊主にしにくいなどの考え方から男性よりも精神的ダメージが強いとされていますが、前述したように服用できる薬が少ないのが女性の受ける薄毛治療の欠点です。
男女関係なく効果的に増毛できる毛髪再生医療は女性の薄毛治療にも大きな期待が寄せられています。
新しい薄毛治療のデメリットは
移植するための毛包を作成するために必要な期間は3か月程度から半年程度と言われています。このため、頭皮から細胞を採取してもすぐに毛包を頭皮へ埋め込むのは不可能です。この期間は薄毛に対する治療はされないと考えて良いでしょう。
加えて、毛包の種となる毛包原基が頭皮で毛包となって頭髪を成長させるまでにはかなりの期間を要します。数日で増毛できるとは考えずに、1年2年とかけて治療する覚悟が必要です。また、新しい治療であるために治療費が高額であると考えられるのもデメリットでしょう。
現在行われている自毛植毛でも100万円程度の治療費がかかります。細胞を培養して毛包を作る再生医療になると1000万円程度の治療費になる可能性があると、毛髪再生医療に関わる企業で言われているようです。実用化されポピュラーな治療法となれば徐々に治療費は下がる傾向にあるので、それまで多くの人が治療を待つと考えられます。
加えて、自分の細胞で作成した毛包でも移植した後でアレルギーを起こす場合もあります。培養する前であればアレルギー反応は起きない可能性が高いでしょうが、一度体外に出た細胞によって拒絶反応が起きれば治療をそれ以上進めることはできません。
高額な治療費が無駄になるリスクも全くないとは言えないでしょう。